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2016

11/18

理事長コラム⑭ 分断社会を終わらせる活動。

活動レポート

「2025年」問題というのが、ささやかれはじめている。

2025年は、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年だと言われている。いわば日本は急速な高齢化社会へと突き進むこととなる。4人に1人が75歳以上という超高齢社会の到来が予測されている。これまで国を支えてきた団塊の世代が給付を受ける側に回るため、医療、介護、福祉サービスへの需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れる、とも指摘されており、それを総じて「2025年」問題と称しているようである。

日本は全体として、目に見えて貧困が加速していると言われている。専業主婦世帯が減り、共働き世帯が増えているにもかかわらず、世帯所得はピーク時より2割落ち込んでいる。この10年で世帯年収として平均100万円以上減少しているとさえ言われている。

反対に、年収200万円以下の世帯は全体の2割に達し、非正規の割合も4割を超えた。 こうした状況は、結婚して子どもを持つことすら難しいと言う問題に直面することとなり、頼りの中間層が明らかに疲弊し、低所得層化しつつあることを意味しており、こうした中間層の人たちは、不安におびえつつも自らは頑張って働いているのに、一方では、低所得者層や生活保護の受給者などに対して、働いてもいない人々を税金で支援することに違和感を覚え、厳しく批判するという分断社会の傾向を強めている。

日本の社会保障は高齢者に手厚く、あとは限られた資源を貧困対策に使うので、恩恵を受けない若者と高齢者の対立も深まるという分断社会がますます深刻化していく危険水域に突入することとなるだろう。こうした分断社会を断ち切るためには、所得が落ちても、せめて人間らしく生活ができるように、また、誰にとっても必要なものを保障する仕組みをつくることが重要だといえる。そうした考え方が、憲法第25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されており、にんげんが生活を営むのに最低限の「衣・食・住」への権利は保障されなければならないと捉えるべきでもあると思っている。

わたしは、フードバンク活動をこの大阪の地で展開しようと考えたきっかけも、「衣・食・住」の食の部分を、人間が生活する最低限保障するべきであるという発想から、経済的理由や親からの虐待などによって、食べられないという現実が横たわっているという事態に対して、社会が最低限の食を保障するという仕組みが、フードバンク活動の本位であると理解したからに他ならない。

ますます貧困と格差が大手を振って社会を支配しようとしている。他者への寛容さが社会からどんどん失われている現実が目を覆う。弱者救済に多額の税金を投入すれば、中流階級が悲鳴を上げて批判し、「苦しいのはあいつらだけではない」と罵倒する。それが、差別発言や人権侵害にまで悪質化し、陰湿な差別事件が後を絶たない状況だ。

格差の広がりが、人々の関係にまで分断を持ち込み未来への希望など、皆無に等しい社会の現状だ。ジャーナリストの安田浩一さんは、毎日新聞のインタビューで、「差別は許さず、人を傷つけずに大切にする。これまでの社会で当たり前だったことがきしみ、差別が娯楽のように常態化し、批判も警戒感も薄れている。これは社会が壊れつつあることを意味します。僕は革命家じゃない。だから社会を壊したくない、守りたいんです。僕は一記者に過ぎないけど、社会を保守したいからこそ『差別は許さない』と書くんです」。と指摘している。

分断社会を終わらせる。その実践が、ふーどばんくOSAKAの活動でもある。11月26日の土曜日は”ふーどばんくDAY”だ。ひとりでも多くのボランティアの参加を期待したい。